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「コーポレートガバナンス入門」
(太田洋 岩波新書)
「コーポレートガバナンス入門(太田洋 岩波新書)」
https://www.iwanami.co.jp/book/b10134173.html

「敵対的買収とアクティビスト」をご紹介しましたが、同じく太田洋弁護士による著作です。
「敵対的買収とアクティビスト」が好評を博し、太田弁護士は、全国株懇連合会理事長から、「コーポレートガバナンスについても、全体を俯瞰できるようなハンディなものでありつつ、上場会社の実務からの観点も織り込んだ新書を書いて欲しい」と勧められ、本書を執筆するきっかけとなったと説明されています。

そのような経緯にあるように、本書は、「コーポレートガバナンス改革の歴史」という縦軸と、「企業統治機構の設計-米英独仏日の場合」という横軸が、新書という薄い本でありながら、丁寧にかつ具体的事例も挙げながら解説されています。
例えば、アメリカでは、各州の会社法が、企業誘致のために経営者寄りとなっていること、むしろ、各州が、いかに使い勝手の良い法制度を提供するかを競い合っていること(底辺への競争)が指摘されています(テスラCEOのイーロン・マスクが、自身への報酬プランを無効としたデラウェア州に激高して、翌月、スペースXの本店登記をデラウェア州からテキサス州に移したことなどが紹介されています)。
他方、ドイツなどヨーロッパでは、労働者による経営参加が求められていることなども興味深く感じました。

その他、「なぜPBR一倍割れは問題とされるのか」、「なぜ日本企業は長年ROEを軽視してきたのか」といった、経済ニュースを見る上でベースとなる知識についても解説されています(日本では、かつて、有利子負債の増加を極力避け、株主資本に厚みを持たせることが経営の安定上望ましいと考えられてきたところ、近時、適切なリスクテイクをしてリターンを上げる「攻めのガバナンス」の必要性が強調されていることが指摘されています)。

そして、GoogleやFacebookなど、GAFAMの事例を挙げて、傑出した能力と卓越したリーダーシップを持つ経営者がいる場合には「良い」コーポレートガバナンスは必要不可欠とまで言い切れないとしています。もっとも、そのようなカリスマ的経営者は滅多に現れないし、そのような経営者でも経営環境の変化を読み間違えることも絶無ではないから、会社の持続的な成長や、中長期的な企業価値向上のためには、「良い」コーポレートガバナンスが必要なのだと結論付けられています。

本書は、前書「敵対的買収とアクティビスト」に増して、経済用語や企業統治機構に関する説明など、かなり専門的なものとなっていて、読み進めるには難易度が上がっているように感じました。それでも、わずか260ページで、コーポレートガバナンスの縦軸(歴史)、横軸(諸外国の制度)について、具体的な事例を多数引用しながら解説されており、大変、参考になる本です。

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