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「国宝」文庫版 上・下
(吉田修一 朝日文庫)
2026年6月6日(土)から、映画『国宝』がついにPrimeVideoで、独占配信されることになりました。
煌びやかな衣装と舞台から客席を眺める光景など、ぜひ、映画館の劇場で見るべき大作だと思いますが、2時間54分の長尺ですので、家でゆっくり見るのも良いかもしれません。
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吉田修一さんは、四代目鴈治郎さんに、黒衣を作ってもらって、4年間、歌舞伎座、博多座、松竹座、京都歌舞練場など、全国の舞台について回って取材をしたそうです。
任俠の家に生まれながら女形へ上り詰める喜久雄と、名門・花井家の御曹司、俊介の二人の人生を、分厚く説得力のあるものとして、描き切っておられるのは、そのような取材によりインプットされた情報量がとても多かったことによるのだろうと思いました。
このように、『国宝』は、原作も、読みごたえがあり素晴らしいのですが、映画の完成度は、「原作を超えた」と思っています。
それぞれの演者の表情、所作、雰囲気は、殺気立ったものさえ感じるほどに研ぎ澄まされていて、演者と監督、スタッフ全員が、より良いもの、究極の演技を目指して取り組んでこられたのが、本当によくわかります。
途中、何度も号泣するシーンもあり、映画を観終わった後は、「なんか凄いものを観た…」と脱力しました。
なお、映画は、歌舞伎に全く興味が無かった人、基本的な知識さえない人でも、十分に理解して、そして感動できる内容ですので、安心してご覧になられてよいと思います。
このように「映画が原作を超える」ことはあまりないと思います。
松本清張は、自身の原作が、何本も映画化されましたが、唯一、『砂の器』についてのみ、「原作を超えている」と絶賛されたそうです。
最後に、『国宝』とほぼ同時期に、連載、出版、映画化された『木挽町のあだ討ち』(永井紗耶子・新潮文庫)も、お勧めします。
歌舞伎の世界を描いた名作ですが、こちらは、演者ではなく、小道具職人、戯作者(げさくしゃ・作家)、木戸番(きどばん・警備や客引きを担当する番人)などのスタッフ側から物語が語られます。
レコードのA面とB面のように、『国宝』と『木挽町のあだ討ち』を楽しむのも良いと思います。
https://www.shinchosha.co.jp/special/kobikicho/
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