
「家康、江戸を建てる」
(門井慶喜・祥伝社文庫)
https://www.shodensha.co.jp/ieyasu/
評論家の岡田斗司夫さんが、自身のYouTubeチャンネルで、「文章は下手だけど、めちゃくちゃ面白い!!」と絶賛されていたので、手に取ってみました。
豊臣秀吉から、関東への国替えを命じられた徳川家康が、低湿地帯であった江戸を、後に260年続く拠点に仕上げるために講じた様々なまちづくりのための施策が、実話に基づくエピソードとして展開されています。
具体的には、治水工事、貨幣鋳造、飲料水の確保、江戸城の石積み、天守の建設の5つの施策が語られていますが、家康本人は、ほとんど出てきません。
これらの施策を幕府から命じられて、企画、立案、実施していく責任者たちの目線で、話が展開していきます(家康は、カリスマ経営者のように、時々、チラッと出てきて、含蓄のある指摘をします)。
治水工事は、伊奈忠次の利根川東遷事業(東京湾から太平洋へ流れを変えた治水事業)が語られています。
貨幣鋳造は、橋本庄三郎(後藤庄三郎)の貨幣鋳造事業(小判の鋳造)が語られています。
飲料水事業は、大久保藤五郎と内田六次郎の浄水事業(井之頭池から神田上水)が語られています。大久保藤五郎は、菓子職人であり、「超絶的な味覚を有する人物」として、「飲み水の安全性が確保できるはず」と白羽の矢が立てられます。
江戸城の石積み事業は、伊豆の石工、吾平の目線で物語が進みますが、藤堂高虎が「現場を軽視する人物」であって、蔑視の対象として描かれています。
最後に、天守建設事業は、二代将軍徳川秀忠の目線で描かれています。秀忠は、戦乱の世は終わり「天守は不要」と主張します。他方、家康は「天守閣を白漆喰にせよ」と言いますが、秀忠にはその理由がわかりません。この二人の思想の違いが大変興味深く展開しています。
現在の組織マネジメントや街づくりにおいても大変示唆に富み、また、小説としても楽しく読み進める、お勧めの本です。
第一話 流れを変える
第二話 金貨を延べる
第三話 飲み水を引く
第四話 石垣を積む
第五話 天守を起こす
お問い合わせ
事前確認
費用のご説明
(ご希望の場合)
Contact us
お問い合わせ
わからないこと、不安なこと、どのようなご質問・ご相談でも構いません。
まずはお気軽にご相談ください。